第44章 中野社長、あなたは口出ししすぎだ

長谷川栞は眉間に深い皺を寄せた。いったい、誰が自分にメッセージを送ってきたのか。

中野航平の会社の人間――それだけは確かだ。

だが、中尾美希が差し向けた駒ではない。

「コンコン」

「若社長、奥様からです。これ以上残業して帰らないなら、会社まで迎えに行くって」

ノックして入ってきたのは葉山だった。

栞は瞳の奥の感情をすっと引かせ、時計を見る。もうすぐ20時。

「分かった。葉山、ありがとう。お疲れさま」

誰が送ってきたのか、何の意図なのか――追及はしない。

目の前のファイルを軽く整え、立ち上がって照明を落とす。広い部屋はすぐに闇へ沈んだ。

一方、レストラン。

中野航平は何度...

ログインして続きを読む